カンヌ国際映画祭で絶賛された日本映画3選

今回は2025年5月13日から5月24日までフランスのカンヌで開催された「第78回カンヌ国際映画祭」で大きな話題を呼んだ日本のおすすめ映画3本を紹介していきます。

カンヌ国際映画祭は世界的に有名な映画祭です。世界最高峰の映画祭で絶賛されたという事は、その映画は名作といって間違いありません。これから名作を見たいと思う人はぜひ今回紹介する3本を見に行ってください。

どの作品も心に響いて、見に行ったことを後悔しない作品だと思います。

1 国宝
2 遠い山なみの光
3 8番出口

国宝

映画「国宝」より引用

まず最初に紹介するのがカンヌ国際映画祭の監督週間部門出品となった「国宝」です。カンヌの現地時間５月18日の早期上映分は発売後すぐに完売となり、会場に詰めかけた820人の観客が上映後に大絶賛されるなど大きな話題となりました。

本作は吉田修一さんの同名小説です。待望の映画化となりました。本作の主人公は任侠の一門に生まれた喜久雄。喜久雄は15歳の時に父親を亡くして天涯孤独の身でしたが、彼には歌舞伎の才能が有りました。その喜久雄の才能を上方歌舞伎の名門当主・花井半二郎は見抜き、喜久雄を歌舞伎の世界に誘います。

そこで喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と出会い、兄弟のように育てられて、ライバルとなりました。しかし、ある事件をきっかけに2人の運命が大きく変わっていきます。

原作者の吉田修一さんは本作を「100年に1本の壮大な芸道映画」と賞賛しました。主人公の喜久雄を演じた吉沢亮さんと俊介を演じた横浜流星さんは、本作のために1年半も時間をかけて、歌舞伎の稽古を経てから臨んだといいます。

カンヌで上映した本作を見た観客からは「とても美しい映画」、「歌舞伎について知らなかったが、この映画は歌舞伎と日本文化についてのいい発見になった」と様々な映画や歌舞伎を絶賛する声が聞かれたと言います。実際映画の上映後には約6分間もスタンディングオベーションが続くなど異例の盛り上がりとなりました。

上映日は6月6日です。世界が認めた感動をぜひ劇場で体験してはいかがでしょうか。

遠い山なみの光

映画「遠い山なみの光」より引用

続いて紹介するのがカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門の正式出品作品となった「遠い山なみの光」です。

本作の原作は「日の名残り」や「わたしを離さないで」などが映画化作品となるなど、多くの名作を生み出しているノーベル文学賞受賞作家のカズオ・イシグロのデビュー作品です。

本作は1980年代のイギリスが舞台です。日本人の母とイギリス人の父の間に生まれたニキと母・悦子の物語になります。ニキは大学を中退して作家を目指していました。ニキは久しぶりに実家を訪れ、そこで母と数日間一緒に暮らします。この数日間でニキは最近よく見る女性の夢について語りますが、その女性がかつて悦子が出会った女性という引き込まれる設定です。

1980年代のイギリスを舞台としながら、夢の中を描いた1950年代の長崎を描き、時代と場所を超えて交錯する記憶の秘密を解いていくヒューマンストーリーとなっています。

本作の主人公の悦子を務めるのは大人気女優の広瀬すずさん。悦子が長崎にいた頃に出会った謎の女性を二階堂ふみさんが演じています。さらに、かつて悦子が働いていた学校の校長・緒方を三浦友和さんが熱演。1980年代の悦子を演じた吉田羊さんは、本作でほぼ全編英語の演技に挑戦したことも大きな話題となりました。

映画公開日は9月5日です。気になる人はぜひ映画館に足を運んでみてください。